メフィストフェレスに共感⁈

9月 18th, 2018

ゲーテの戯曲『ファウスト』、マーラーの交響曲第8番を演奏する機会に読んでみようと思い、本屋さんで初めて手に取ったのは、前回の演奏会が終わった頃だったので、去年の夏頃です。
数種類の訳本をパラパラと見て、古くて難しそうな言葉遣いのものを、一番本物っぽい!なんて思い、購入しました。

それが良くなかったのか、読み慣れない分野だったり予備知識がなかったからか、ほとんど意味が分からず、読み進まないんです。
長いなと思ったシーンは斜め読みで、とにかくマーラーが曲に用いた最終場面まで、文字を追っただけになってしまい、第一印象は良いものではありませんでした。

ところが、独文学を研究するオーケストラメンバーの力を借り、解説してもらったり、勧めてもらった書籍を読むと、急に興味が湧き、おもしろくなり、もうすっかりゲーテの虜になってしまいました。

この状態でもう一度トライしようと思い、第1部の最初にある、「捧げる言葉」を読んだら、じーんとしました。いや、もっと激しくこみあげてくるものが…
その理由についてはまた機会があれば書こうと思います。

まだまだこれからも触れてみたいゲーテという人。
好きな人や世界が増える幸せをかみしめる日々です。

ひとつ、戯曲『ファウスト』について知れば知るほど、登場人物の中でメフィストフェレスに最も共感している私が正常なのか、それだけは少し心配です。
みなさんは誰に共感しますか?

混声合唱団ホール・バルティカ&相愛フィルハーモニア 特別演奏会

9月 10th, 2018

今晩は、『混声合唱団ホール・バルティカ&相愛フィルハーモニア特別演奏会』に伺いました。
後半のプログラムが、マーラーの交響曲第8番とあって、関西グスタフ・マーラー交響楽団のメンバーの姿もちらほら。

前半の曲目は、グリーグ/組曲「ホルベアの時代から」(ホルベルク組曲)で、弦楽器の、ときに繊細で軽やか、ときに重厚で力強い演奏を楽しみました。

後半のマーラーは、まずはどこにどの楽器が座るんだろう、バンダはどこかな、栄光の聖母マリアはあのボックスに現れるのかなと、休憩時間から楽しみが始まります。
いざ演奏が始まると、圧倒的な迫力に一瞬でのみこまれました。

初めてCDでこの曲を聴いたときは「長いな…」というのが感想でした。
今日は全く、長いとは思わなかったです。

マーラーが第8番を作曲したのは1906年。
1907年にはオーケストレーションも完成していました。
初演は本人の指揮で、1910年です。

こんなに大掛かりで感動的な曲を書き終えてからしばらく演奏機会に恵まれず、数年経ってやっと、音にして披露できる機会を得たら、それはそれは嬉しかっただろうと想像すると、なんとも幸せな充実した気持ちになりました。

ゲーテのファウスト展

9月 9th, 2018

マーラーの交響曲第8番は第1部と第2部から成ります。
第2部の歌詞には、ゲーテの戯曲『ファウスト』第2部の最終場面が用いられています。

というわけで、ゲーテ記念館で開催中の、「ゲーテのファウスト展」に行ってきました。

広い展示室に、様々な展示がされていました。
ゲーテの交友関係をまとめてあったのが興味深かったです。
文通相手として、シューベルトやベルリオーズの名前がありました。
マーラーが生まれたのはゲーテの没後なのですが、もし同時代に生きていたら、意気投合したのではないでしょうか?

ゲーテの『ファウスト』はたくさんの言語に訳され、出版されています。
日本語訳も、多数存在しています。
舞台化もされました。
それらの資料を見ると、本当に広く愛された、偉大な作品なんだなと感じます。

そんな作品のクライマックスにつけられた音楽を演奏すると思うと、身が引き締まりますね。

第8回演奏会

9月 7th, 2018

♪第8回演奏会♪

2018年10月8日(月・祝)
京都コンサートホール 大ホール
15:00開場 15:30開演
交響曲第8番

やっと暑さが落ち着いて、たまにひんやりとした空気を感じられるようになりました。
ということはもうすぐです!

秋の京都にマーラーを、ぜひ聴きに来てください。

最近の練習 &「深み」?

5月 4th, 2016

みなさま、こんにちは!

ゴールデンウイーク、いかがお過ごしでしょうか?

マーラーオケの方は、あっという間に、本番まであと1ヶ月ちょっとというところに来ました。

4月24日には、アルトソリストの八木寿子さんがお越しになり、4,5楽章を合わすことができました♪

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同じ人間の声だとは思えないほど、深く美しい声でした。

ニーチェ「ツァラトゥストラはかく語りき」第4部 「酔歌」からの歌詞。

 

ここでちょっと歌詞の中の「深い」を抜き出すと…

「深い真夜中」「深い夢」「世界は深い」「深い」「世界の嘆きは深い」「嘆きよりも歓びはずっと深い」「深い深い永遠を歓びは求める」

「深い」を意味する”tief”が語形変化を伴いながら8回登場します。

同じ「深い」でも、最初は「真夜中」だったそれは実は語り手が見ていた「夢」であり、「世界」つまり「嘆きの世界」であることが示唆されます。

しかし、さらに嘆きよりも深い「歓び」が提示され、

嘆きは、いわばその嘆きの深みに「立ち去れ!」と語るけれど、歓びは深い深い永遠を求める、と結ばれます。

深みにも色々あるんですね。

アルト八木さんの声の深みは、この「変化する深み」の表現が思い浮かぶようでした。

この深みはどこにあるのか。皆が持っている人間の心の嘆きの深みと歓びの深み。

歓びが求める永遠の深みの方が、心の嘆きの深みよりもさらに深い

なんだか、すべてはまだ理解できないけれど、救われる気がします。

演奏しながら、「歓びの永遠なる深み」なるものを感じられるように、

まだもっと歌詞の読みや楽譜読みを深めたいです。

 

これから合宿や、合唱のみなさんとの練習も控えています。

 

忙しくなってきますが、がんばりましょう♪

 

短いですが、近況報告でした♪

 

それでは、また。

 

 

マーラーでダンス!?

12月 6th, 2015

みなさま、こんばんは。
12月2日の夜、京都芸術センターで行われた
ダンサー・振付師きたまり×関西グスタフ・マーラー交響楽団音楽監督田中宗利
トークセッションに行ってきました♪

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ぜったい面白いに違いないと期待した通り、
本当に興味深い対談でした。

マーラーの音楽が最初「なんか、きもちわるかった。」と表現されたきたまりさん。
それが、マーラーでダンスをしていくきっかけとなったそうです。
きれいすぎない、この違和感。マーラーなら、ダンスでやっていけるんじゃないか。と。

きもちわるいどころか初めは「なにがなんだか」状態だった私には、よくそのお気持ちが分かりました。

「長いし、飽きる」曲でもあるとも表現されたいたように思います。うーん、私の場合は、最初はちんぷんかんぷんでも、
一曲と対峙するとその曲丸ごと端から端まで好きになってしまうため、
飽きたり、きもちわるいという感覚は完全になくなる気がするなあと思いながら聞いていました。

きたまりさんはそこの違和感をもったままダンスにされるということなので、その感覚の違いが
どんなダンスとなって表現されるのか、とても気になります。
音楽なんて、捉え方は人それぞで、そこが面白い。
その違いを表現することが芸術なのではと思うので、ただただダンスを早く見たい。

きたまりさんは、細かく決まった振り付けなどはなく、大筋の中で感じたままに踊られるとか。
対談の中で、決まった振りはなくても田中先生が解釈される音楽とダンスの振りがシンクロしている部分があることが判明したりして、根幹にあるマーラーの音楽を共通に感じられているのだなあと思いました。
コンテンポラリーダンスって本当に今まで観に行く縁がないですが、
人の前で踊るって・・すごい。
生(ナマ)の自分を身体中でさらけ出してそこから始まる芸術だとしたら
まずそこから私と全然違う。そんなさらけだせない。一体、どんなんだろう?
でも、学指揮を昔していたころは、みんなの前で心が裸になってる感覚だった。
みんなの前に立っているし、繕いは隠せないし、熱い気持ちはやっぱり伝わるし。
そう思うと、身近に感じられる。

「ひとつの感想に偏ってほしくない」
というきたまりさんの言葉は、自由に捉えていいんだ、と私を安心させました。
私にとって未知の芸術。
交響曲第1番でダンスをされるなら興味は100倍。
来年1月29日から、2月3日まで、ぜったい見に行こうと思いました。

田中宗利音楽監督とダンサーきたまりさんのトークセッション!

11月 30th, 2015

みなさま、こんにちは。
今日は、スペシャルなトークセッションのご案内です。
関西グスタフ・マーラー交響楽団音楽監督・指揮者の田中宗利氏と、
ダンサー兼振付師の「きたまり」さんが、トークセッションを開催されます。
きたまりさんは、マーラーの音楽でダンスを作られるそうで、その関連企画で行われます!

場所は、京都芸術センター(阪急烏丸駅近く)の明倫ワークショップとして、

12月2日(水)19:30-21:00に行われます。無料です。
http://www.kac.or.jp/events/17391/

きたまりさんのページでのインフォメーション
http://ki6dance.jimdo.com/次回公演-titan/関連企画/

なんて魅力的なセッションでしょう。マ、マーラーの音楽でダンス・・?
12月1日には、1月に公演を予定されているマーラー交響曲第1番のダンスの公開リハーサルをされるそうです。

ご興味のある方は是非!

 

 

有難うございました。

10月 17th, 2015

関西グスタフ・マーラー交響楽団
第5回演奏会が終わりました。

あの日からずっと晴れていて、とくに週末となると、一瞬、まだシーズンが終わっていないのかとさえ錯覚してしまいます。
まずは、ザ・シンフォニーホールに足をお運び下さったお客様、本当に有難うございました。
チケットの売れ行き、お客様の入り、過去最高でした。「涙が溢れた」「感動した」との感想を多く頂き、こんなに嬉しいことは、ありません。

そして、合唱団の皆様。

今回の第2番の演奏会には、合唱団が不可欠でした。
関西グスタフ・マーラー交響楽団は合唱団とのコラボレーションは、もちろん初めて。なかなか見つからない中、ご縁あってお引き受け下さった京都大学音楽研究会ハイマート合唱団のみなさま、そして個人参加して下さったみなさま、本当に、有難うございました。
演奏会後にも、「やはり人の声にはかなわない」、というオケの人の呟きを目にします。クライマックスでのあの合唱が、あの蘇りの希望の叫びが、人が歌うからこそ、人の心をうち震わせるのですね。

楽器も、人の体から出るものを音にしているので、声のようなものかなと思ってきましたが、ナマの合唱の声がこれほど感動的なものとは思いませんでした。
そしてハイマート合唱団さんの人柄にも感動しっぱなしでした。学生さんならではの熱く、素直で、全力投球なまっすぐな思い。結果的に、この演奏会はハイマート合唱団さんとのコラボレーションが、あらかじめ神様から決められていたこととさえ思います。

そして、お2人の美しいソリストさま。
まず、4楽章、”Urlicht”、これほど胸の奥底からヒリヒリと涙シビれる曲をご存知でしょうか
メゾ・ソプラノの森 季子さま。
天国に行かせてほしい、神様は永遠に安らかな命への道を照らしてくれる灯りをくださる、と歌われる声はそれ自体が神々しく、何人の奏者が涙で譜面が見えなくなったか分からないほどです。

そして5楽章、ソプラノの端山 梨奈さま。私と同じ人間の声なのだろうかと思うほど澄んだ美しい声。
「死よ、全てを支配する死よ、お前は支配された。愛へのたぎる思いを持って、勝ち得た翼で飛んでいこう、まだ見ぬ光へと」と森さんと端山さんで交差して歌われる箇所ではオーケストラをたずさえて光へと進んで下さる気さえしました。

そして
オーケストラの皆様
総勢107名の大所帯でした。
誰一人欠けても実現しない演奏会でした。
こんなに大勢の皆様が集まり、心を合わせることは簡単なことではありません。
だからこそ、それが実現したとき、かけがえのない大切な気持ちに心が支配されるのです。
107名全員とお話することはできなかったけれど、音楽で心を合わせられたことは、紛れもない事実ではないかなと思っています。

色んなことがあるでしょう。推測ですが、育ってきた環境だけでなく活動してきた音楽土壌や価値観が異なる人々がこれだけ集まれば、毎日毎回どの日もハッピー!ハッピー!オールハッピー!なだけではなかったのではないかな?と思います。どこの世界でもそうですよね。
けれど、あの日あの場所で、心を合わせて音楽を作り上げた、お客様に聴いてもらえて、涙が溢れたと言ってもらえた。
私たちの演奏で、人を、感動させることができた。
その大きくて、でもささやかな事実を、なんとしても忘れないでいたいと思います。

そして、毎回のことでもありますが、
この演奏会でも、色んな事情で、涙を飲んで引退するメンバーもいます。
いつも最初は喪失感でその事実を受け入れられませんが、時間が経つと、
1番迷って、辛かったのは本人だったのではないかな、と気付きました。きっとね。
他にも、本当に様々な事情で、次出られないメンバーもいるでしょう。
育児や学業、忙しい盛りのお仕事。想像が及ばないほど色んな人生の出来事が起こっていることでしょう。

その方達に、心から、有難うを伝えたい。
どんな事情があるにせよ、関西グスタフ・マーラー交響楽団の一員として、何度も書きますが、心を重ね演奏会を成功させたという事実に変わりはありません。

まず、なによりも、
有難うございます。
一緒に音楽を作ってくれて。
230人の一員として、あの日の思い出をつくってくれて。

また出会うために一旦のお別れです。

そして、
田中先生。
2012年の第1回演奏会から、月日にしては3年ですが、第5回、ずいぶんと長いこと歩いて来た気がしますね。
関西グスタフ・マーラー交響楽団は、田中宗利音楽監督、指揮だから、関西グスタフ・マーラー交響楽団なのです。
今回もお疲れ様でした。
有難うございました。
また、スタッフ一同、演奏者一同、先生と共に歩いていきたいです。
よろしくお願いします♪

Special Thanks
オルガン、ハープ、などのエキストラ奏者様
トレーナー仙崎和男様・水無瀬一成様
ステージマネージャー外村雄一郎様
映像、池田和生様
当日スタッフの皆様
託児のスタッフ様
名古屋から駆けつけて下さった、名古屋マーラー音楽祭発起人、高橋広様
かわいい赤ちゃんを連れて来てみんなを和ませて下さったお母様方
シンフォニーホールのスタッフ様
聴きに来てくれた両親。
事務局長・チェロトップ 永野武様
コンサートマスター 福井智宏様
本当に有難うございました。

私は死ぬ…生きるために

10月 11th, 2015

image前日練習でした。

やっぱり、今回もあっという間だった練習期間。

明日が本番なんて、ちょっと実感ないけど、

とにかく、楽しみです。

 

5楽章の歌詞。

「生きるために、死ぬ」

こんな気持ちがわかるようになるのはずっと先かもしれないけど、

生きる内の苦しみや、葛藤

愛したもの

たたかったもの

「それがおまえを神の御許へと導いてくれるのだ」

 

生きてるのも、ムダじゃないと思える

また生まれ変わるために人は死んでいくから

 

精一杯生きて行こうと思えます。

死ぬのが怖くなくなる感じでしょうか。

あちらの世界では、同じように生きた人たちが、待っててくれる

 

みんな、また生きていく

 

マーラーも、明日、あっちの世界から

聴きにきてくれたらいいな。

 

 

関西グスタフ・マーラー交響楽団の

奏者のみなさまと

合唱のみなさま

歌手のお二人

そして

身近な家族

そして

聴きに来て下さるお客様

 

この世で出会えたことがやっぱり嬉しいです。

そう思わせてくれる、素晴らしい曲です。

マーラーの世界に浸りましょう。

 

では、また明日!

 

 

あなたのマーラーに会いたい〜代表、糸谷 涼さん〜

9月 9th, 2015

ただいまから、待望の大好評企画『あなたのマーラーに会いたい』第5弾のインタビューをお送りします!

今回お話を伺わせていただくのは、この関西グスタフ・マーラー交響楽団の発起人のお一人で、代表でもある糸谷涼さんです!マラオケではヴィオラ奏者としても参加されています!

(そして今回は随所に色んなオーケストラのリンクを貼っています♪ ご興味の任せるままにリンク先の音楽をお聞きになりながら、インタビューをお楽しみ下さい。そしてマラオケの2番を楽しみにされて下さいませ!)

 

山下:糸谷さん、さっそくですが、このオケを立ち上げられたということもありまして、いつもマーラーがお好きなオーラがかなり出ていますが(特に懇親会や打ち上げの席のお話など!)いつ頃からお好きになられたのでしょうか?きっかけとか、あったのでしょうか?

 

糸谷:マーラーとの出会いは、月並みですが、5番のアダージェットでした。中学生か高校生のころ、<アダージョカラヤン>というCDが流行っており、その中に収録されていたのを聴いているうちに…気づいたら、受験勉強のBGMになるくらい、ハマっていました(笑)

特に7番は理系科目の勉強に向いていたようで、繰り返し聴きながら数式を解いていた記憶があります。

今思えば、とてもBGMなんかに向く作曲家じゃないんですけどね〜

 

山下:7番が数式のBGMですか…!なんだか頭がぐちゃぐちゃになってしまいそう!(笑)しかもそれで集中されて医学部合格なんて、これを見た受験生にはあまり真似してほしくないかも…(笑)

そう、関西グスタフ・マーラー交響楽団で7番の演奏をしたのが2014年の3月16日だったのですが、もう懐かしいですね。結成したのが2010年ですから今年は5周年ですね!

代表として見られて、マラオケは、この5年でどのように成長したように思われますでしょうか?

 

糸谷:成長、というと私などが偉そうにコメントできないのですが…(笑)

例えていうと、「マーラーさん」という、参加者のみなさんの共通の知人について、それぞれが抱いていた個性だったり印象というものが、統一されてきたような感じでしょうか。

より核心に迫っていくと言うか。

もちろん回を重ねるごとに知り合いも増えて、緊張感もありつつ、打ち解けてきている気がしますね。

 

山下: みんなの共通の知人「マーラーさん」への印象や個性がだんだん統一されてきた…

なるほど。全体を俯瞰されている代表ならではのご感想です。深い。

そういえば、私の場合も、かなり変わりましたね・・・

懐かしいですが、何も知らなかった5番のときは、最初は「難しいだけの人」だったのが、6番や7番の途中で「その中でもたまに光を見せてくれる人」に変わり、今ではその魅力に引き込まれるだけでなく、畏れ多ささえ感じます。

 

糸谷:あやちゃんの言う、「たまに光をみせてくれる人」って、まさにぴったりな表現ですね!

 

山下:たまに光を見せてくれる人…いわゆる今で言うツンデレってやつでしょうか。でもこれほどの光を見せてもらえたら、そのための辛い過程も進んでいけると思ったり…なんか危ないですが(笑)

 

糸谷:マーラーの音楽って、とてもロマンチックだったり、格好よかったりするところがありますよね。昔マーラーを聴きはじめたときは、こういうところに惹かれていました。

でも、分かったからもういいよ!ってクドく感じたり、なぜこんな展開に?と思ったりすることもしばしば出てくる。

 

山下:そういう部分も、たまに見せてくれる素晴らしい光で吹き飛ぶくらい、素敵なモノを降り注いでくれますね。それがあっての光なのかもと思ったり。

 

そう、糸谷さんご自身は、ずっと前からマーラーがお好きと伺っていましたが、マーラーだけと向き合っていくこのオケを通して、糸谷さんご自身の

「マーラーさん」の印象は何か変わったりしましたか??

 

糸谷:そうですね…やっぱりマーラーという人間そのものが音楽の中にあらわれていますよね。いまの「マーラーさん」の印象は、人間として面白い観察対象であり、必死に理解しようとしているところですね。

 

山下:「必死に理解しようとされている」ということですが、やはり楽譜からその世界を求められるものでしょうか?

 

糸谷:そうですね、マーラーの曲は、技術的にも結構難易度が高くて、表現やテンポなども細かい指定が随所に見られるので、奏者としては大変なのですが。。その分、それに応えるような演奏をすれば、彼の思い描いている音楽に近づける気がして、やっぱりツンデレというやつですね。はまってしまいます。

 

山下:指揮の田中先生は楽譜と、とにかくマーラーのしたかったことに忠実ですもんね。奏者の私たちが自分で考えて演奏しないといけないくらい、指示しきれないくらいマーラーの指示は細かいですね。

そんな大変な曲を5,6,7,1番と演奏してきたわけですが…そして今回の話になりますが、糸谷さんの「2番」の中で一番グッとくる、好きな、場面はどれですか?

 

糸谷:2番でグッとくる場面、ビオラ的に言えば、4楽章のアルトソロのオブリガートです。美しい旋律にそっと寄う、ビオラの良さをしみじみと感じる楽章ですね。

 

山下:オブリガート。4楽章を想像しただけで今、トリハダがたちます。この楽章を聴くだけでもいいのでお越しくださいとお客様に言いたいくらいですよね。ビオラの、もちろんいい意味でけむっぽい、夢の世界を演出してくれるようなもやのような質感が、確かにとても「雰囲気」ですね。私も大好きです。

 

糸谷:あとは、5楽章の、管楽器のアンサンブル(Sehr langsam und gedehnt)や、やはり歌が入ってからは、演奏しながら気分も盛り上がりますね。

今回の2番は、マーラーオケにとって歌が入る初めての交響曲です。どんな演奏になるのか、楽しみでなりません。

 

山下:5楽章も、本当に素晴らしいですね。おっしゃるように、今回はマラオケにとって初めて合唱が加わりますね。年々、規模が大きくなっていきますが、特に初めての合唱団とのコラボは気が引き締まります。そのあたりも含めて最後に、2番への意気込みをお願いできますでしょうか?

 

糸谷:2番は、重厚な1楽章から始まり、長い道のりを経て、終楽章に突入しますよね。5楽章では、ソプラノとメゾソプラノの掛け合いと、そしていよいよ合唱が入ってくるわけで、否が応でもテンションがあがりますよね。

奏者としては冷静さを保ちつつ、でも、お客様とこの高揚感を共有できたらという気持ちでいます。

また、このたび合唱でお世話になるハイマート合唱団のみなさまは、学生とは思えないようなしっかりとされた方ばかりで、演奏会にかける意気込みも情熱も、素晴らしい限りです!このたびご一緒させていただいて、本当に良かったと思います。

 

演奏会まであと少しですが、本番が楽しみでなりません。

みなさま、どうぞよろしくお願い致します。

 

山下:糸谷さん、いままでずっと願ってきたインタビューが実現して糸谷さんのお言葉が聞けて大変うれしく思います。どうも有難うございました!

 

 

オマケ♥

Brass except from Mahler Symphony 2(金管の抜粋)

マーラー2番 指揮者の視点

指揮者のアツさで比べるマーラー2番!