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徒然リンデンバウム番外編 ~驚き、科の木、リンデの木~

8月 6th, 2014

みなさまこんばんは❤︎
ミニ連載が始まったばかりですが、今夜は番外編をお届けします!
長くなりましたが、あまり知られていないリンデンバウムの事実や、わたくしayaのびっくりリンデン旅紀行(!?)もあります!
旅先でリンデンバウムに思いを馳せるうち、貴重な巨木との出会いに至りました。さて、その巨木とは…

お楽しみに❤︎

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さて…

ある日、考えてました。

リンデンバウムのこと、もっと知りたい!と。
リンデンバウムは菩提樹っていうけど、お釈迦様が悟りを開いた樹と、さすらう若人の歌で語り手がふもとに寝転んだリンデンバウムは、同じなのかな?
同じなら、さらに興味深いな、と。

このふとした疑問が、ちょっとした発見につながり、予想より面白いこととなったのでした。

菩提樹は、そのたもとでお釈迦様が悟りを開いた樹として有名ですね。
菩提とは、悟りの境地に達するという意味のようです。
ちなみにお釈迦様が産まれた場所にあった樹は無憂樹、お釈迦様が亡くなったときにあった樹は、沙羅双樹です。

でも、それ以上調べていくと、シューベルトにも歌われ、マーラーにも愛された、あの西洋のリンデンバウムは、この、お釈迦様に関係があるいわゆる菩提樹とは、無関係の樹だったことがわかったのです!

Linden…シナノキ(科の木)、の意
baum…木、の意
Lindenbaumはシナノキ科の樹木。
西洋シナノキ、リンデンバウムが同じ意味です。

お釈迦様が悟りを開いた菩提樹は、インド菩提樹(クワ科)という種類です。

仏教がインドから中国に伝わったとき、仏教の聖樹、インド菩提樹も中国に伝わりましたが、熱帯植物のインド菩提樹は、中国では育たなかったそうです。

そこで!中国の人々は似ていた樹(シナノキ科の)を、インド菩提樹の代わりに植えて菩提樹と称したのです。
そののち1168年に臨済宗の僧、栄西によって、中国から日本にも伝わったようです。だから日本によくある菩提樹は、お釈迦様が悟りを開いたインド菩提樹とは種としては無縁の樹だったのです。

学名からもわかります。

インド菩提樹 学名 Ficus religiosa L.
リンデンバウム 学名 Tilia ×europaea
中国の菩提樹(日本によくある菩提樹) 学名 Tilia migueliana Maxim.

Tiliaとつくのはシナノキ科の印。
ちなみにリンデンバウムはフランス語でTilleur、ティユールです。ハーブティーとして有名で、また別にブログ書きます♪

京都府立植物園にお電話をしてみたところ、リンデンバウム(西洋シナノキ)は、冬菩提樹と夏菩提樹(どちらもシナノキ科)の交配でできた種だそうです。そして、いわゆる原種は、冬菩提樹、そして夏菩提樹のほうが葉っぱに毛があるみたい。京都府立植物園にはリンデンバウム、夏菩提樹、冬菩提樹があるそうなので、また訪れたらレポートしたいと思います!
たくさん種類がありますね…

シナノキ=科の木。
リンデンバウムはシナノキ科だから、科の木ってどんな樹かな?と調べて見たら、見た目もリンデンバウムと同じ。さすがシナノキ科。

科の木の学名は、Tilia Japonica
日本の科の木、ですね。
原産は北海道。長野県信濃に多く自生していたため、信濃はその昔、科野と書きました。平たく言えば、漢字としてかっこいい信濃にしちゃったようです。

科の木は一部地域では船舶の船底に使われていたり、リンデンバウムは西洋では楽器に使われたり、とても身近な樹だったのですね。

さてそこで。これを書いてる今、ちょうど信濃の国に滞在していることに気づき、自分でも驚いています♪

せっかくなので信濃の国の科の木を見にいってみよう!ということになり、調べてみると、近くに科の木の大木があることが分かりました。

長野県軽井沢
熊野皇大神社!
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長野県と群馬県の境界にある、珍しい神社です。
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日本で3番目に古いと言われる、室町時代からいる、狛犬さん。歴史を感じます。20140807-121539-44139464.jpg
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さぁ…
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いよいよ…!20140806-214236-78156755.jpg

じゃぁ〜ん!

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この貫禄。
樹齢およそ850年。
あまりにも圧倒的な力で、見たとき、背中が、厳かな冷気でひやーっとしたのを感じました。

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こんな山の上で、リンデンバウムをたどってこの科の木の巨木に出会えたことに感謝です。

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貴重な出会いでした。美しい。

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さてさて、番外編もそろそろ終わりに近づいてきました。

最後にまたまたこぼれ話。
植物学者カール•フォン•リンネ。
分類学の父として有名です。

彼はスウェーデン王から貴族に叙された後、フォン•リンネという姓を得ます(当時スウェーデン人の多くは姓を持たず、父姓を名乗っていたとか)。リンネは、彼の家族が育てていたリンデンバウムに由来するらしいです。
植物学者が姓にするくらいだから、気に入ってなかったはずはないでしょう。

こんな、出生はややこしくも、魅力的な樹。
20m以上に育ち、枝を広げて、
初夏に咲く花の香りはえもいわれぬほど甘く、芳醇なハチミツができるそう。

リンデンバウムがどんどん好きになってきます!

ヨーロッパ、とくにドイツではリンデンバウムが街路樹として植えられています。葉っぱがハート型のせいか、愛の木として知られ、そのふもとで愛を語り、名前を刻むカップルもいるとか。

長くなってしまいましたが、リンデンバウムのことがとても身近に感じられるようになりました。

またさすらう若人の歌を聴いて、西洋のリンデンバウムに思いを馳せたいと思います。。

さて!
本編も、またお楽しみに!

それでは、また❤︎

知らなきゃソンな、徒然リンデンバウム第1夜〜歌のリンデンバウム〜

8月 3rd, 2014

みなさま、こんばんは。
お久しぶりです。

突然ですが「リンデンバウム」って、ご存じですか?
菩提樹、Lindenbaum・・・お釈迦様が悟りをひらいたとされる木です
(悟りを開かれたのは「インド菩提樹」)

今夜から、そんなリンデンバウムをテーマに連載をします❤

(予定)
第1夜:歌のリンデンバウム

第2夜:真如堂のリンデンバウム
第3夜:画家バルテュスとリンデンバウム
第4夜:リンデンバウムティーの楽しみ方

この木は、さすらう若人の歌でも、つまり交響曲第1番でも
そして前回演奏会のリュッケルトの歌曲にも出てくるんですよね。
マーラー関係者には深い縁のある木とも言えるのです^^❤

やさしい香りを吸い込んだのさ。
部屋に戻るとそこにあった、
あの人手ずからの贈り物、
それはひとふりのボダイジュの枝。
そのときのいい香りといったら・・・

そして今なおいい香りなのさ。
あの人がたおやかに手折ったボダイジュの小枝。
その香りの中にふっとあの人の気もちの・・・
やさしい匂いがするよ。
―「5つの歌」より
詩 / フリードリヒ・リュッケルト 訳 / 田中宗利


そんな風に意識し始めていると、リンデンバウムが身近に感じられて、
実際、最近、身近に集まってくるようになりました❤
リンデンバウムについてみなさんにお話したいことがたくさんあるので、
(京都の「とある」お店や、女子注目!香水やキャンドル、紅茶の話も出てきます❤)
どうぞ少しずつお付き合い下さい❤

****

さてマラオケの第4回演奏会(2015年3月15日)は交響曲第1番と花の章、そしてバリトン萩原次己さんをお迎えしての「さすらう若人の歌」を演奏します。

その歌曲の第4楽章に、菩提樹の木が出てきます。

愛する女性が他の男性と結婚してしまう切なく苦しい、
マーラー自身の胸の内を描いたこの歌曲

‥苦しみ、時には激しい痛みさえ感じさせながら、歌は進みます

第4楽章「彼女の青い目が」(手持ちのCDの訳を抜粋してお借りしています。本番の訳は本ブログの訳とは違います。)の前半ではもう自暴自棄かのような痛ましい苦しみが綴られます。

「なぜ僕を見つめなどしたのか。/ 永遠に苦悩と傷心を / 抱くことになってしまった!」

‥と。そして後半…とても穏やかな雰囲気に変わり、美しい調べとなります。

傷心の語り手は菩提樹の木の下で眠っています

すると雪のように花がふりそそぎ、

「なにもかもまたよいものとなった / ああ、なにもかもまた元どおりに!」

「なにもかもすべて! / 愛も悩みも。」

「そしてこの世もあの夢も!」

そうしてこの歌曲は終わります。・・・
でもなんだか暗い部分を、再び示唆しながら。

***

語り手はふりそそぐ菩提樹の花の美しさに、恋の苦しみを忘れ 穏やかな心になり

苦悩を昇華してしまった・・のでしょうか。

それとも夢の中のできごとで、願望なのでしょうか?

恋の苦しみのただ中、それはいっとき癒されるものではあるかもしれませんが、
いっとき癒され、全てから開放されたと信じきったその後は・・

もっと切なくなるかもしれません。その差に苦しむのかもしれません。

でも癒され開放されたと感じる瞬間は大事なものかもしれません。
その積み重ねは相手を想う分だけ浅くなり、癒えていくのか
想う分だけ深くなり、抜け出せなくなるのか・・

色々考えてしまいますねっ!
マーラーさん、ホントの所はどうなのでしょうか?
みなさんはどう思いますか?ぜひ考えてみてください。

9月に練習は始まりますが、それまでいろいろ考えて合奏に臨みたいです!

さて。
まだまだネタがあるのですが、長くなってしまうので、今日はこれまで。
徒然リンデンバウム、お楽しみに❤

それでは、また。

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